苦難の行軍とは何? そしてそれはまたやってくる?

北朝鮮ではその昔「苦難の行軍」といわれるスローガンが掲げられていた時期がありました。これはいったいどういう意味なのでしょうか?

1990年代の北朝鮮は食糧がかなり不足していた

北朝鮮は1990年代の後半に飢饉が発生し、食糧不足の問題を抱えるようになりました。当然食べるものがないと人間は生きていくことができないため、この飢饉が原因で餓死した北朝鮮の人民は数十万人以上という膨大な数に上りました。そして出生率もかなり低下したといいます。

この出生率の低下は約20年後に北朝鮮で成人する国民の数が減ることとなり、ちょうど20年ほどたった今では軍事力を維持するために男性だけでなく女性にも徴兵を行ったりしているようです。

苦難の行軍というスローガンの誕生

こうした中、北朝鮮ではこの苦しい状況を打開するために1996年の正月に発行された新聞に「苦難の行軍」というスローガンを打ち出して、みんなでこの状況をのりこえようと呼びかけたのです。この言葉の由来は、第二次世界大戦中に、金日成が日本軍と戦いながら行軍したことから来ているようです。

そして20年たった今、再び苦難の行軍が?

1990年代後半の飢饉は2000年くらいには収まり、食糧事情は改善に向かいました。しかし、この飢饉から20年余りたった2016年に、北朝鮮の新聞がこのような記事を出しました。

革命の道は遠く厳しい。草の根を食べなければならない苦難の行軍を再び行わなければならないこともある

引用:北朝鮮の機関紙「苦難の行軍再び」 制裁への覚悟を国民に求める – TOKYO web

この「苦難の行軍」という単語が出てきたということは北朝鮮でまた飢饉が起こったのでしょうか?

今度の「苦難の行軍」の原因は経済制裁にある

今回は北朝鮮で飢饉が起きているわけではありません。北朝鮮に各国が行っている経済制裁が原因といえるでしょう。ただし、経済制裁が直接の原因ではありません。

経済制裁の主な目的は、北朝鮮に軍事技術が流れないようにすることであり、北朝鮮の国民を苦しめるためにあるものではありません。しかし、北朝鮮ではそういった状況でも国民の生活よりも、ミサイル技術や核技術の発展を目指しているところがあり、苦しい経済状況の中で軍事技術にその配分を大きくすると、相対的に国民の生活への分け前は減っていくことが予想されます。

インターネットで見かけるニュースでも北朝鮮で餓死者が出ているというニュースはちらほら見かけますが、経済制裁の強化によって今後さらに国民の生活が悪化することが予想されます。今回の新聞での発表もそれを見越したうえでの発表なのかもしれませんね。

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