北朝鮮の軍隊は朝鮮人民軍と呼ばれていますが、朝鮮人民軍は国防委員会という組織の傘下に入っています。それでは国防委員会とはいったいどんな組織なのでしょうか?
まずは組織図で国防委員会の全体を把握
文章よりも図のほうがわかりやすいと思いますので、国防委員会の組織図を以下に示します。
引用:朝日新聞デジタル
右の最高人民会議は無視してください。国防委員会は傘下に3つの組織が存在します。
- 人民武力部
- 国家安全保衛部
- 人民保安部
この3つの組織はどのような役割をしているのでしょうか?
人民武力部
人民武力部は主に北朝鮮の軍関係に関することを行う組織です。朝鮮人民軍もこの組織の傘下として組み入れられています。
しかし、人民武力部の傘下となっている朝鮮人民軍総政治局という組織のほうが権限が強かったりと、力関係は組織図どおりとはなっていない部分もあるようです(朝鮮人民軍総政治局は朝鮮人民軍の将兵の忠誠心や政治的動向などを監視する組織のため、権限が強くなっているのかもしれません)。
韓国に向けての拡声器放送もこの人民武力部(内の朝鮮人民軍総政治局)が担当しています。
拉致に関することもやはりここの管轄だと思われます。
国家安全保衛部
簡単に言うと、KGBみたいなものです。
といっても、KGBがわからない人もいるでしょうから普通に説明すると、秘密警察組織です。
具体的に何をしているのかというと、スパイや反体制派の摘発が主な仕事です。選挙を監視しているのも国家安全保衛部です。
また、脱北者の摘発も行っているようです。
北朝鮮の国内は常に国家安全保衛部によって監視されており、少しでも政府にたてつこうとしたものには容赦なく摘発を行いそうですね。
人民保安部
国家安全保衛部が秘密警察ならば、人民保安部は普通の警察を所管している組織となります。やはり北朝鮮の国民を厳しく統制する必要性があることから、最高人民会議ではなくこちらの国防委員会の傘下に組み入れられているようです。
国防委員会とは、北朝鮮の体制維持のための監視組織である
3つの傘下の組織について説明しましたが、3つに共通することは北朝鮮の内部を何らかの形で監視していることではないでしょうか。
とにかく体制を維持するために北朝鮮の国民や軍人に忠誠心というものを身につけさせ、それに従わないようであれば力で摘発を行うのが国防委員会の仕事であると考えられます。
北朝鮮で反乱みたいなものが起こらないのは、この国防委員会がきちんと機能しているからであるともいえますね。
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