北朝鮮に存在する銀行についてまとめてみます。
朝鮮民主主義人民共和国中央銀行
北朝鮮の代表的な銀行の一つに朝鮮民主主義人民共和国中央銀行というものがあります。中央銀行とついているため、日本でいうと日銀にあたる銀行になります。
中央銀行としての役割はいくつかあるのですが、今回はこの銀行の役割について
- 北朝鮮ウォンを発行している
- 普通の銀行としても機能している
- 信頼性
について見ていきます。
北朝鮮ウォンを発行している
北朝鮮のお金に関してはこちらで詳しく解説していますが、朝鮮民主主義人民共和国中央銀行はこの北朝鮮ウォンを発行しています。
日本では日銀が日本円を発行していますので、この部分は変わりませんね。
通常の銀行としての機能
さて、中央銀行としては少し珍しいのですが、朝鮮民主主義人民共和国中央銀行は普通の銀行の営業も行われています。普通の銀行と聞くと、ATMでお金を預けたりおろしたりなどのイメージがあると思いますが、まさにそれです。
日本では一般の人が日銀に預金をしたりすることはできませんが、北朝鮮では北朝鮮の国民が朝鮮民主主義人民共和国中央銀行に対して預金をすることができるのです。
北朝鮮の銀行は信頼できる?
ここまで朝鮮民主主義人民共和国中央銀行について説明してきましたが、残念ながら信頼度は低いようです。
北朝鮮政府は2009年11月30日に100対1のデノミ(通貨切り下げ)措置を発表した。同時に交換できるのは1世帯あたり10万ウォンまでで、残りは国に収めるか銀行に預けるようにした。しかし、銀行に預けても引き出せないので、事実上国に全財産を奪われたも同然となった。
北朝鮮ではたびたびインフレが起こり、通貨の価値が安定していません。過去には何回かデノミ措置も取られており、北朝鮮の国民にとっては「銀行に預けたらお金が戻ってこない」「北朝鮮ウォンよりも外貨の中国元の方が信用できる」とさえ言われています。
北朝鮮もがんばって北朝鮮ウォンの信頼を上げようとはしているようですが、なかなか難しい状況といえるでしょう。
ちなみに・・・
2016年、北朝鮮でこんな事件が起きました。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えたところでは、銀行が襲われる事件が発生したのは咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)市の新岩(シナム)区域。4月4日の夜、何者かが朝鮮中央銀行新岩支店内に入り込み、多額の現金を持ち去ったという。
北朝鮮が銀行強盗が起きたという事件ですが、なんと北朝鮮における銀行強盗の事件は史上初なのです。
北朝鮮の銀行の警備体制がいいのか、それとも単に襲う価値がなかったのかはわかりませんが、今まで北朝鮮で銀行強盗がなかったのはちょっとびっくりでした。
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